京都府南山城村でてん茶を製造する新工場を2025年5月1日(木)に開設~不足する抹茶の確保、茶農家の負担も軽減しサスティナビリティにも貢献~

2025.04.30

年間で100トン以上のてん茶を製造する予定です。海外で需要が高まっている有機認証にも対応し、京都府内で製造量No1の有機てん茶製造工場を目指します。

1836年(天保7年)創業、京都宇治の老舗茶屋森半のブランドを中心に展開する共栄製茶株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役CEO:森下康弘、以下「当社」)は、京都府の南山城村に抹茶の原料となるてん茶を製造する新工場(以下「京都南山城工場」)を2025年5月1日(木)に開設します。

急成長する抹茶市場

近年、世界中で抹茶が人気となっており、抹茶市場は急激に成長しています。

全国茶生産団体連合会の調査によると、令和5年度は抹茶の原料となるてん茶の生産量は4,176トンと過去最高となり、平均単価も近年上昇し続けています。

また、農林水産省が公表している「茶業及びお茶の文化振興に関する基本方針(案)」には、てん茶の生産への推進が盛り込まれるなど、この市場動向は今年以降も続くと見込まれています。

供給が不足し始めている抹茶

増加する抹茶の需要に対して、供給が不足し始めています。特に、高品質な抹茶として有名な宇治抹茶は需要が急増しており、供給がひっ迫しています。

茶園が足りないだけでなく、てん茶を一次加工する工場(以下「荒茶工場」)も不足しています。

茶園で摘んだてん茶は、劣化を防ぐためにその日中には荒茶工場で加工をしなければいけません。

現在、荒茶工場が足りず、一時加工ができないためにせっかく茶園で育てたてん茶を収穫できないといった問題が生じています。

南山城村に荒茶工場を建設

このような状況下で、当社は荒茶工場となる京都南山城工場を開設します。

京都南山城工場は製造ラインを2式備え、年間で100トン以上のてん茶製造能力を保有しています。これにより、当社は宇治抹茶の安定供給に努めます。

京都南山城工場は有機JASの認証を取得し、海外からのニーズが高い有機に対応したてん茶も製造する予定です。京都南山城工場は京都府内における有機てん茶製造量No1の工場を目指します。

また、京都南山城工場は1次加工だけでなく、2次加工(仕上げ)まで、一貫した製造ライン設備を有しています。これにより良質なてん茶を使用用途に応じた製造が可能となります。

工場内部の画像1:搬入ライン
工場内部の画像2:茶葉蒸し機
倉庫
審査(鑑定)室

茶農家の負担を軽減し、サスティナビリティにも貢献

現在、日本各地で茶農家の担い手が減少し、高齢化が進んでいます。

ほとんどの茶農家は、茶園で摘採した茶葉を荒茶工場に持ち込み、自らの手で一次加工しなければならず、大きな負担となっています。また、茶農家が荒茶工場を所有・維持するのは金銭面でも負担となります。これらの負担に耐えられず、茶農家をやめるケースは増えています。

京都南山城工場では、当社が茶農家から加工前の茶葉を購入し、一次加工を行います。これは茶農家の負担軽減につながります。

当社は京都南山城工場の運営を通じて茶農家の負担を軽減し、持続可能なお茶の供給に貢献します。


京都南山城村工場概要

名称京都南山城工場
所在地京都府相楽郡南山城村大字田山小字ツルギ44-3
開設日2025年5月1日
建物平屋建 2,700㎡
製造能力てん茶の加工量年間100トン

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